会長挨拶
一般社団法人吉備オープンイノベーション協会
1970年代に構想された「吉備高原都市」は、時代に先駆けて、中山間地域に「人間尊重・福祉優先」を理念とした新都市を建設する計画としてスタートしました。1980年代には福祉、医療、教育関連の施設が整備され、岡山から空港を経由するアクセス道路の整備も行われました。1990年代に入り、バブル経済の終焉による財政難により計画は中断しましたが、崇高な理念に基づいて整備された居住地域の魅力や安定した地盤に恵まれていることなどにより、近年新たな移住者も見られるようになっています。
このような発展途上のインフラを再活用して、新たなイノベーションを起こそうという事業が「吉備高原イノベーションヒルズ構想」です。豊かな自然に恵まれた吉備高原で持続的なイノベーションを創出する「国際オープンイノベーションセンター」を中心に、スタートアップ事業をプロジェクト単位で生み出していこうとするものです。
2019年に国の地方創生交付金を利用して実証事業を始め、拠点となるオープンイノベーションセンターの整備が始まったところです。同時に、国が主導する、先端テクノロジーを活用し住民にとってより良い社会生活を実現する「スーパーシティ」構想への取組みが、吉備中央町と多くの企業、専門家の協力により進められ、2022年4月「デジタル田園健康特区」に指定されました。
社会のしくみが大きく変わろうとしている時代の先端に立ち、先人の理念を振り返りながら、新たなイノベーションの場づくりを行うため一般社団法人を設立し、吉備高原におけるイノベーションの創出、スタートアップ事業の支援を行いたいと考えております。さらに、全国から、また海外からも関連事業を誘致し、吉備高原、ひいては岡山県の活性化に寄与したいと考えております。
一般社団法人吉備オープンイノベーション協会 会長 中島 基善 |